TOC(Theory of Constraints:制約理論), CCPMとは



経済・経営

公開日:2024/1/27    

■TOCとは

TOC(Theory of Constraints:制約理論)とは、イスラエルの物理学者エリヤフ・ゴールドラット博士(1948-2011)が提唱した経営マネジメント手法で 「目的の達成を一番妨げている要因(一番の制約になっている箇所)に注目し、集中してその要因を改善することで、全体のパフォーマンスを上げることができる」 という理論のことです。

例えば、製品の生産能力は、各工程の最も生産能力が低い所の制約を受けます。以下の図例では、製品の生産能力は工程②の制約を受け1時間に10台となってしまいます。 従って製品の生産能力を上げたければ、工程②の生産能力を上げる必要があります。



別の例では、鎖の強度は鎖の最も弱い箇所によって決まります。従って鎖の強度を上げたければ、最も弱い箇所の強度を上げる必要があります。

<TOCにおける改善の5ステップ>

① 制約を特定する

② 制約を徹底活用する方法を決める

③ 全てを制約に従属させる
 ⇒ ②③併せて、制約に無駄な仕事をさせないようにする。ということ

④ 制約を強化する
 ⇒ ②③をやった後に制約そのものの能力を上げるようにする

⑤ 惰性がシステムの制約にならない様気を付けながら、①に戻る。
 ⇒ 制約を解消したら新たな制約が出てくるので、それを解消する。


<TOCの4つの柱>

① そもそもシンプルである

② どんな対立も取り除くことができる

③ 人は善良である

④ 決して"分かった"というな


■CCPMとは

CCPM(Critical Chain Project Management)とは、TOCの考えに基づいて、制約を特定し徹底活用することで組織の最大のスループットを生み出すための、プロジェクトマネジメント手法のことです。 CCPMは理論ではなく、具体的な手法にフォーカスしています。

CCPMは以下の様に各工程を順番に並べ、どこかクリティカルチェーン(制約)になっているかを見える化します。


<安全余裕(バッファ)は一カ所に集めて管理する>

計画を立てる時に、各工程でバッファを設けて管理するのが従来のやり方でしたが、CCPMではバッファは一カ所にまとめて管理します。 そうすることで、各工程の遅れは全体で-カバーすることができますし、パーキンソンの法則(仕事の量は与えられた時間をすべて満たすまで使う)から逃れることができます。





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