発酵と腐敗の違い アルコール発酵, 乳酸発酵



食物,栄養学

公開日:2023/6/2    

■発酵とは, 腐敗との違い

発酵とは、微生物によって食物が人間にとって有益な状態に変質することです。対して人間にとって有害な状態に変質することを腐敗と言います。

腐敗は微生物による変質がほとんどですが、酸化や温度によって変質する場合もあります。例えば、油がまずくなるのは酸化の影響ですし、 レトルトのカレーの様に密閉されていても、長い年月を経たら風味が損なわれるのは温度の影響です。 この場合、菌が繁殖している訳ではないのでお腹を壊す事は無いと思いますが、人間に不快感をもたらすので腐敗と捉える人もいると思います。

また腐敗は食物以外のものに対しても用いられます。例えば「政治の腐敗」など。発酵は食物以外に使われることはあまりありませんが「醸成」なら食物以外にも使われます。 例えば「良好な関係を醸成する」など。

■発酵の種類と原理

発酵には、アルコール発酵、乳酸発酵、酢酸発酵、アミノ酸発酵などがあります。 例えばアルコール発酵は糖分をアルコールに変質させることですが、微生物はアルコールを作るのが目的では無く、微生物自身がエネルギーを獲得するため、 糖分を食べてエネルギー(ATP)を作り出し、その結果副産物としてアルコールが生成されているという状態に過ぎません。他の発酵も全て微生物がエネルギーを獲得するための行為となります。

化学式で表すと以下のとおり。乳酸発酵は体内で行われている解糖系と同じ作用になります。






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